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雑記

【食育】お米を食べる時に感謝する相手は農家と母だけではなかった

食育をおこなう時に「いただきます」の理由を教えます。

誰に対しての「いただきます」かというと、お米の生産者、農家さん。ご飯を作ってくれた母。稲という植物の命をいただいている。

色んな回答があり、私もそのように聞かされて育ってきました。

ところが最近、「いやいやそんなもんじゃ足りないよ」と思うものを目にしました。

 

まさか稲刈りから始まって、米が食べられるようになるまでこんなに大変だったとは・・・

と、もったいぶらずに結論から言うと

 

農家さんや料理を作ってくれる人にはもちろん

JAの社員さん、プラントメーカー、更には設備運用に使用される莫大なエネルギー等

お米を粗末に扱うことがいかにバチ当たりかを知りました。

 

沢山の人やモノ、資源に感謝して今日もいいただきます

 

大変なのは農家さんだけじゃない

農家

 

お米が食べられる状態になるまでで大変なのは農家さんだけではありません。

もちろん農家さんも大変ですが、他にもたくさんの人が関わってきます。

 

そりゃそうだろうと、何となくは分かっても実際にどんな人がどのくらい大変かは知らないし

私も興味がありませんでした。

 

ですが、最近転職した会社でお米に深く関わっていくことになり、興味を持たざるを得なくなりました。

現在は農業用施設メーカーに勤めており、稲刈りのシーズン中に施設内の点検修理をメインに行っています。

 

そこではヒト、モノ、金、そして莫大なエネルギーが使われていました。

 

お米の乾燥・調整施設

お米が食べられるようになるまでには

稲刈り→乾燥・調整→籾摺り→精米

という工程が必要です。

 

施設周辺の農家さんからお米を集め、いっきに乾燥と調整を行うのですが

そこで使われる設備や資材の規模を見て驚きました。

 

その施設というのが「ライスセンタ」と「カントリーエレベータ」です。

 

今回は特に規模が大きなカントリーエレベータについて紹介します。

 

カントリーエレベータ

CE

 

田舎の田んぼのど真ん中にズドーンとそびえ立つ建物。円柱の中には何百トンと米が入ります。

周辺の農家さんからお米を受け取り、乾燥・調整、貯蔵、籾摺り、袋詰め、出荷を行います。

農家さんへは持ってきた米の重量と質に合わせた金額を後日渡します。

籾摺りと袋詰めに関してはほぼ1年間丸々かかる所もあるようです。

 

この建物を作り設備を入れるだけで何億とかかりますが、米の生産から販売までは日本の食料に関わることなので国の事業として進んでいます。

そのため設備費の何割かは国が負担している状況です。

 

休めないオペレータ

カントリーエレベータとう大きな施設をメインの操作室からほぼ1人で操作して管理しています。

その他にたくさんのアルバイトに指示したり、施設に異常が無いか確認したり1日ずっと気が休まるタイミングが無く、メインオペレータの担当になったJAの社員さんはシーズン中ほぼ休みがありません。

しかも20代の若い子がその担当者になっていることも多く、若かったら遊びたいだろうになーと同情してしまいます。

 

施設運用のための莫大なエネルギー

電力

 

お米が食べられる状態になるまでには莫大な量の電気と燃料を必要とします。

一般家庭とは規模が違いすぎていまいち想像できない量ですが

皆さんが何気なく食べている米は大量のエネルギー消費によって成り立っています

 

電力

カントリーエレベータのような大きな施設を動かすため夏のシーズン中だけたくさんの電力を使います。

下のリンクの213ページに北陸・甲信越エリアの1つの市内のカントリーエレベータで使われた電力が公開されています。

農林水産省・使用電力:巻末資料

 

シーズン中だけ施設がフル稼働するので8月と9月は使用電力が多いことが分かります。

9月だけで約10万kWhです。

 

数字が多きすぎてイメージわきません。

 

燃料

お米を乾燥させるためには熱が必要なわけですが、熱源は大きなバーナーです。

ひたすら灯油を燃やして熱風を送り続けます。

 

場所によっては直径が人の身長より大きなバーナーいくつも並んでおり、収穫量の多い地域ではバーナーを稼働し続けています。

 

走り回るプラントメーカー

忙しい人

 

はい、我々のことです。

 

自分のことなので感謝しろとは言いませんが、シーズン中はとにかく大変でした。

施設にトラブル起きてラインが止まると農家さんが行列を作ることになるため、早急に直さなくてはなりません。

施設はいくつもあるので特にシーズン中は電話が鳴り続けます。

もちろん稼働前には点検をして試運転もしています。

 

それでも、シーズン中は設備が休みなく稼働し続けるため何かしらのトラブルが発生するものです。

メーカーにもよるそうですが、私が勤めている会社では電話一本ですぐに駆けつけるスタイルです。

 

まとめ

 

戦後の小麦輸入から現在までお米を食べる人は減ってきているそうですが、それでも日本から米が消えることはないと思います。

これだけの莫大な資源と人を使って生産し続けているのもそれだけ需要があるからであり、施設の新築に国からお金が出るものそのためだと思います。

とはいえ、初めて使っている電力や燃料の数を見た時は衝撃でした。

 

これからお米を食べる時、たくさんの資源と人の手によって食べられる状態になっていることをたまにで良いので思い出してほしいと思います。

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